声優のマネージャーのお仕事をご紹介!!
就職・転職なら今がチャンス!?
普段は声優志望の方に向けて声優オーディションの対策記事を中心に書かせていただいております。
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もくじ
はじめに
声優のマネージャーの業務内容についてお話ししたいと思います。
世の中は声優飽和時代で、事務所所属の声優だけでも1万人いると言われています。
そんな中で、事務所のマネージャーに関しては人材不足でどんな事務所でも一人で何十人も役者を抱えるということも当たり前になってきています。
例えば、青二プロダクションに関してはマネージャー30名に対して所属者500名みたいなことになっていて、土日でも誰かしらかの現場はあるので、ほぼほぼみなさん休まずに仕事をしている印象ですね・・・
もともといた声優事務所のチームは、自分以外アニメにもゲームにも全く知見がない方ばかりで、それでも愛をもって声優を売ろうとする人がいたり、そして文化も理解できなくてただ作業をこなす人もいました。
でも、やはり声優は愛をもって売ってほしいと思うのです。
ポイント
好きなことに関係する仕事がしたい
声優にはなれないけど声優業界で働きたい
働きたくはないけど声優業界の仕事が気になる
という方は是非見てみてください。
声優のマネージャーになる
声優のマネージャーは、他アーティストやタレントと違って一人一人に担当が付く、ということではない事務所が多いです。
総合芸能事務所や、タレントもやっている声優の場合は専属でつくこともありますが、大体が音響制作会社(アニメやゲームのキャスティングや制作をしている会社)ごとに担当が分けられ、その案件で仕事が分けられます。
「このアニメの音響は〇〇だから、担当の〇〇が現場に行く」
という形になります。
小さな事務所ではほぼほぼ全部ということもあるらしいのですが、大手声優事務所に関してはこの形です。
私が在籍していた事務所では、個々の担当制だったので各声優の方向性に関して誰がどのように決めていくのかは疑問に思うこともありますが、声優の仕事=アニメ・ゲーム・吹き替え・ナレーションの仕事がメインなので、そこは問題ではないのかもしれません。
以前声優養成所の紹介の際にも言いましたが、大体の声優事務所は養成所をもっており、そこで利益を出しているので個人として声優が色々な作品に出て名が売れていけばいいということですね。
(声優が売れる⇒養成所への応募が増える⇒会社が儲かる)
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声優オーディションに合格してから声優はどうなるの?
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声優のギャラ
<アニメ>
アニメはモブでもメインキャストでも、新人声優であればジュニア扱いで一回の収録15,000円など固定で決まっています。
日本音声製作者連盟に加入していると、そこからランクが上がっていくシステムです。
ほぼほぼ今活躍しているアニメのメインキャストに関しては、ジュニアのことが多いです。
明確な基準はありませんが、自己申告でギャラの交渉をすることもできますが、周りの自分よりも作品に出ている声優がジュニア価格でやっているかどうかはわからないため、言い出せる環境ではありません。
<ゲーム>
ゲームに関しては基本的に言い値のことが多いです。
一般的には「ワード単価」ということも言われますが、稼働・拘束時間・ワード数・実績を踏まえて各音響制作会社と交渉します。
50ワードなのに10万を超える場合もありますし、200ワードでも初回収録は一律5万、など指定される場合もあります。
これは新人に限る話で、大体大物声優は実績や他社にだす基準もあるので、また大きく異なります。
<舞台>
最近の声優は舞台に出演している方も多いです。
舞台のギャラに関しては、舞台制作・劇場キャパ・集客数・物販販売の状況でかなり変わってくるので、本当にざっくりです。
ただ、「1ステージいくら」という計算をするので、制作者側としてはチケット5,000円で10ステージやる場合、全日程で10名しか呼べない役者に1ステージあたり10,000円だしたら完全に赤字になりますね。
(役者のギャラ:100,000円 チケット売り上げ:50,000円)
舞台は約一か月間缶詰め状態で稽古も行うため、役者もよほどでないと利益にはならないですし、大きな舞台以外は修行の意味合い強くなってきています。
マネージャーの日々の仕事
さて、ここからは日々の声優マネージャーの仕事について紹介していきます。
個人的にも一つしか事務所を経験していないので事務所によって大きく異なるとは思いますが、参考までに。
アニメ・ゲーム収録現場立ち合い
これはマネージャーとして基本的なところになりますね。
アニメの収録はクールモノでは一日に2つの時間帯の収録で決まっており、
ポイント
10:00~15:00
16:00~21:00
の中で行います。
まず、声優とは初めてのスタジオの場合待ち合わせをして早めに行き、監督、制作含めて一緒にご挨拶をします。
「〇〇事務所の〇〇です。〇〇がお世話になります。よろしくお願いします」
みたいな感じですね!
声の現場なので声優ではありませんが元気に言うようにしてました。
レギュラーの収録は週一回決まった曜日にスケジュールが組まれ、作品のオーディションのタイミングでスケジュールを提出します。
ピンポイントでどうしてもいけない日がある場合は、抜き録りといって一人で収録する場合もあります。(基本大物が多い)
ゲームに関しては個々で収録をしていくため、制作の方がスタジオを抑えている中でスケジュール調整可能な時に行って収録します。
新人の場合は100ワードで2時間。
中堅・ベテランの場合は100ワード1時間弱で終えてしまう人もいます。
オーディション用資料の収録
この作業が一番大切で、多いと言っても過言ではありません。
声優として仕事を取ることがすべてなので、これ抜きではマネジメントは語れません。
大体アニメのオーディションの案内がきて応募締め切りまで3週間ほどあるのですが、(たまに一週間なんてことも)
ポイント
プロフィール
ボイスサンプル(オーディションアニメの作中の台詞を演じる)
歌唱資料(指定楽曲がある場合もあり)
スケジュールリスト
を提出します。
ボイスサンプルに関しては事務所によって「1キャラクターで2名」など条件があることもあるので、マネージャーはまずその対象者を選ぶところから始まります。
そもそも原作がある場合は原作を知らないとキャラクターがわからないですし、事務所所属の声優の演技の属性を知らないと決められないので、まずは原作を読みます。
原作がないオリジナルアニメの場合は、そこで送られてくる設定資料だけで判断しなければいけません。
そして、収録する声優が決まったらスタジオに呼び、それぞれ指定のボイスを収録していきます。
それぞれの声優の演技の解釈もあるので、話し合いながら折り合いをつけるのですが、原作有の場合でも声の答えがないので、実際のキャラクターに置き換えて
「〇〇という作品の〇〇ちゃんみたいなイメージ」
というのがあると、新人声優にとっては分かりやすかったりもします。(多少仕事をしている声優だと良く思わない人もいるので注意)
セリフの量にもよりますが、オーディション対象キャラクターが5名で、事務所から受けられるのが各キャラ2名までだった場合、1人1時間かかった場合、収録だけで10時間、そしてオーディションのボイスの場合マネージャーが音声の編集をすることも多いので、いいテイクに差し替えたりという作業を行います。
スタジオオーディション立ち合い
作品のオーディションのテープ審査に通過したら、大体の作品はスタジオオーディションが待っています。
実際に音響制作や監督の前でそのキャラクターの演技をして、みてもらいます。
基本キャラクターに合うか、というところで決まるものではあるのですが、最終的に絞られた際に「このマネージャーならやりやすい」と思ってもらうのも大事だったりもするので、普段から人間関係を作っていくことは大事ですね!
実際大きなコンテンツだったり、稼働が多いものだとマネージャーが扱いやすいかなどで判断されることもある非情な仕事なんです…
イベント現場立ち合い
その作品に紐づいたイベント(ライブや試写会、お渡し会など)は、ファンの方も同じ現場に来るのでマネージャーとしては最大限に気を付けます。
もちろんファンの方はみなさん良い方ばかりなのですが、お渡し会に来ているのに、電車で一緒だったとか、入りの時に遭遇するなどはせっかくイベントに足を運んできている方に失礼にもなりえるので、なるべく会わないようにします。(昨今色んな事件も起きているので、対策という意味ももちろん)
ステージ上や作品上以外での素を見せて夢を壊したくないという方もいらっしゃいますね。
会場には言ったら、各担当に挨拶をしてリハを確認して映像を撮りつつ本人とポイントを話し合います。
本番も同様に映像を撮っておくのと、お渡し会の際などは横について何か起きたときに対応できるようにします。
Twitter用の写真を撮っているのもマネージャーの役目です。
営業活動
これも大事な作品を勝ち取るための仕事の一つです。
作品はオーディションで決まるものだけではなく、最初から決め打ちで降りてくる案件もあったりします。
その場合は、各音響制作会社の推薦だったりが重要なので、普段から自分の事務所の声優を知ってもらうことが必要です。
声優はご存知の通りボイスサンプルを最初に録るのですが、そのボイスサンプルをもって制作会社を回ったり、アニメ収録現場でプロフィールと一緒に渡したりしてプロモーションします。
もしかしたらその作品のモブで呼ばれることもありますし、別案件で必要な時に思い出してもらえることもあるかもなので!
日々のメールのチェック
これは社会人としてという感じではありますが、日々案件ごとにスケジュールのメールや、案件の依頼、オーディションの案内などなど、色々なメールが来ます。一日200件を超えるときもありますね・・・・(死)
基本日中は現場に行くことも多いので、できないときは終電で家に帰って朝までメールチェックしていることも・・・(労働基準法とは・・・)
月間労働時間が400時間くらいになってしまうことも・・・
現場の床でパソコン広げてやり取りしているマネージャーもよく見かけるので、どの事務所でも同じような感じかもしれませんね!
今の時代マネージャーの求められることは多岐にわたる
上記仕事は通常の業務としてあるのですが、今の声優は事務所としてソロイベントを行ったり、育成の声優を集めてライブや朗読のイベントをすることもあるので、イベント制作のような仕事をすることもあります。
注意ポイント
・スケジュールの調整
・小屋(ライブハウス)おさえ
・イベント内容の打ち合わせ
・演出、台本の制作
・チケットなど販売ルートとのやり取り
・SNSやHPなどでの宣伝
などなど、イベンターや制作会社を立てない場合はすべてマネジメントが仕切ることもあります。
(会社にイベント制作部署がある事務所の場合は、そこに一任することも)
そこまでやってたら、大変で人が不足するのも納得ですよね・・・
本当にアニメや声優が好きでないとやり遂げられない仕事だと思います。
まとめ
このような形で、声優のマネージャーとはいってもスケジュール管理と立ち合いだけではありません。
大きな事務所では分業制でできているところもありますが、基本マネージャーが最終的には決定するところでもあるので、どうしても比重はかかってしまうし拘束時間は長いです。
それでも、声優と仕事という形でつながって、信頼関係を築いていくのはファンを超えたファンという存在になれるので、非常にやりがいがあります。
マウスプロモーションの納谷僚介さんが書いた「声優をプロデュース。」という著書。
その冒頭にある
「仕事があるのは役者のおかげ、仕事がないのはマネージャーのせい」
これが理解している愛のあるマネージャーが増えることを願っています。
今なら経験者でなくても受け入れてくれる事務所も多いはずです!
興味があったら声優事務所への就職・転職も考えてみてくださいね!
↓大塚明夫さん、加隈亜衣さん、高田憂希さんなどを手掛けられた納谷僚介さんの本です。