声優オーディションの中で、どういった声優を事務所が欲しがるのか。発掘担当としての意見をまとめました。
私は、声優事務所で発掘やマネジメントをやってきました。
その中で、オーディションで全力を出し切ることのできる方が非常に少なく、審査する立場としても思うところがずっとありました。
今は、そんな声優志望の方々が安心して声優オーディションの審査で実力を出せるように、できる限りのオーディション情報と対策を発信しています。
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2020年おすすめ声優オーディションを時系列でまとめました
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もくじ
はじめに
今回は、「声優事務所が取りたいと思う声優」というところに焦点を当てたいと思います。
以前、「声優として成功している人の共通点」という記事と、「声優として伸び悩んでいる人の共通点」という2つの記事を書かせていただきました。
もちろん、この2つの記事の中にも大きなヒントがあります。
皆さんは何だと思いますか?
ポイント
演技がうまい
トークができる
アイドル性がある
ビジュアルが良い
歌が上手い
ダンスがうまい
性格が向いている
などなど、色々考えつくところはありますね。
声優事務所によっても見ているところはだいぶ違うと思うので、私が個人的にこういう人が欲しい、というのもを経験を含めて話していきたいと思います。
演技について
まずは演技について。
これは声優オーディションなら、まずは一番大事なところですね。
もちろん、私も重要視しますし、ここで基準をクリアできてこそ次のジャッジの対象になります。
ただし、勘違いしてはいけないのが、単純な「演技力の高さ」ではありません。
事務所が欲しい演技の人材は…
ポイント
審査を重ねた上での成長度合い
そもそもの声質
直せる範囲の活舌かどうか
マイク乗りの良さ
現時点での演技経験・年齢に対しての演技力
このくらいですかね。
上から、重要な順に書かせていただきました。
最初に「審査が重ねた上での成長度合い」と書きました。
これは、目標に向けてどれだけ努力してきたかが分かるからです。
自分が事務所に欲しいのは、自分で反省して直そうと思える人と、次の審査までに死に物狂いで何とかしようとしてきた痕跡を見せられる人です。
この記事の最後に書いている「性格」というところにもつながりますね。
何度も言っておりますが、短い審査時間の中で「ちゃんと努力できる」と分かる人とは一緒に仕事したいと思います。
次に「もともとの声質」と書きましたが、これは単なる天性のものという意味ではありません。
事務所によって、今欲しい声優のタイプは大きく異なります。
男性声優が伸びていなかったら男性の応募者に対しては若干ハードルを下げますし、女性でハスキー系の声や太めの声が求められていれば、そのような方のハードルは下がります。
何が言いたいかというと、この事務所では全く必要ないけど、違う事務所では欲している可能性があるということです。
なので、自分の声は特徴がないと思いこまず、受ける事務所を固定しすぎず、行きたい事務所があっても色々受けてみることをお勧めします。
特徴がないと思うその声を欲しがっている事務所はきっとあるはずです。まずはそのハードルを越えられる事務所に出会いましょう。
そして、活舌に関しても、その時点での活舌が悪くても、実際に会って話せば直せる活舌かどうかはなんとなくわかります。
ほとんどの声優志望者の方は直せる範囲の方が多いので、ここはあまり気にする必要ないかもしれません。
たまに歯並びが悪いことで活舌を悪くしてしまっている場合は、強制はできませんが治す気があるかは聞くこともあります。
マイク乗りの良さも、発声次第で変えていけるものではあるのですが、たまに演技も活舌も悪いけどマイク乗りがいい人もいます。それはそれで天性のものではあるので、ちゃんと見るようにしています。
現時点での演技経験・年齢に対しての演技力に関しては、当然と言っては当然ですね。
同じ演技をするのであれば、演技経験がなくて若い方がいいに決まっています。なぜなら、そこからはのびしろしか感じないからです。
なので、逆に言うとちゃんと専門学校で学んできてしっかりとした発声を身につけている人は、若いけど20歳までにそこまで伸びるかわからない人には勝ります。
声優になりたいということに遅いということはありませんし、20歳で演技を始めてもいいと思っています。20歳まで演技をしていなくても、人生経験は15歳の方よりはしていると思います。
それを踏まえれば、成長の効率も良くなる可能性も高くなりますね☆
全体をまとめると、純粋な演技力を求めているのではなく、年齢・演技経験に基づいた演技力と伸び率がある人を求めています。
トークについて
こちらに関しては、良く声優志望さんで「トーク力も鍛えないと」と思っている方もいますが、そんなところを鍛える必要はありません。
もし鍛えたいのであれば、演技に必要な語彙力と読解力を身につけてください。
そうすれば、自ずと質問の意図もくみ取れるようになるし、返す言葉も湧いてきます。
声優は、ラジオやイベントなどで話す機会も出てきたりしますが、みんな最初から話せたわけではないですよ☆
誰でも最初はガチガチに緊張して何も話せないところから始まります。
事務所側が欲しい声優像として、「トークできる子を探そう」と考えることはまずありません。
逆の立場になって考えれば、何となくわかりますよね☆
アイドル性について
これは結構皆さん気にされる所ではあると思います。
事務所としては、たまたま取りたいと思った声優にアイドル性があったら良いな…くらいには考えています。
でも、たまにオーディションでもあえてアイドルっぽく振舞うような方がいて、それはイメージ的には悪いです。
アイドル性は、その人から自然と溢れる人を惹きつける力だと私は思っているので、いつもオーディションでこんな質問をします。
ポイント
学校や部活ではどんなキャラクターですか??
友だちの中ではいじられ役?突っ込み役?
この質問をすると、自分を落とす人と上げる人に分かれます。
どちらがいいかというのはないのですが、その話し方などでキャラクター性、アイドル性を見極めるということはしますね。
ビジュアルが良い
うーん、本当は声優には必要ないのかもしれませんが、事務所はもちろんビジュアルも見ています。
ただ、俳優ではないので完璧なビジュアルを求めているわけではありません。
どちらかというと、「内面の性格から出るビジュアルの良さ」「清潔感」「愛嬌」ですね。
特に自分は、愛嬌がある方はキャラクターとして声優に向いているとは思います。
いわゆる、「オタク受け」するというやつですね。
今の声優さんで言うと、花江夏樹さん・千葉翔也さん・白井悠介さん・高田憂希さん・長江里加さん・木野日菜さん・和多田美咲さんなどでしょうか。
当然、内面の性格が未熟(自己顕示欲が強かったり…)な方からは愛嬌は生まれませんし、そういう演技もできないです。
ビジュアルは、完全に他人が決めることではあるので、内面を磨いておくことをお勧めします。
内面から出る愛嬌のあるビジュアルは、個人的には求めてますね。
歌が上手い・ダンスがうまい
これは前も書かせていただいたと思いますが、歌のうまい人材は探しています。
最近だとキャストオーディションでも歌を含むオーディションが多くあります。アイマスなどがいい例ですね。
必ずしも歌が歌える方が受かるわけではないのですが、うまいに越したことはないという話です。
歌が上手いということは、「リズム感が良い」「音感が良い」「表現力がある」ということにもなるので、自ずと演技ののびしろも大きくなります。
歌は自信あるけど演技はやったことない…という方も多いのですが、そういう方は是非チャレンジしてみるといいですよ☆
ダンスにしても「リズム感」「運動能力がある」という意味で、役者には大事な要素ですね。
必ずしもダンスというわけではなく、「運動が得意」というところにまとめてもいいかもしれません。
自分の体のどこを動かせばいいかわかっているということは、演技にも直結しますね。舞台などの話も来る可能性があります。
歌・ダンスに関してはあればいいな、くらいの感覚です。
性格が向いている
ずっと自分の記事を読んでくださっている方はお分かりの通り、一番大事なのはこの項目です。
オーディションで会う声優志望さんは、上記6つの項目がすでにできているわけがないですし、こちらもそこまで望んでいません。
ある程度の上記6つのポテンシャルと、この「性格が向いている」というところをメインで見ています。
上の項目はレッスンや取り組み方次第でどうとでもなると思っていますが、この性格について直していくのが一番難しいからというのもあります。
それは、最初に紹介した「声優として伸び悩んでいる人の共通点」にさらに詳しく書かせていただいておりますので是非見てみてください。
ポイント
・努力を続けられること
・好きな事がしっかりあること
・我が変に強すぎない事
・人当たりが良いこと
・悪口を言わないこと
・ちゃんと話を聴けること
・人のうわさ話などに流されないこと
・メンタルが弱すぎない事
この辺りに当てはまらないかどうかは短い審査の中で探れるようにしています。
とはいえ、さすがにオーディションの時点でここまでのことはやはり見切れない部分があって、入ってから「この人は苦労するだろうな」という方も出てきます。
マネージャーは先生でもないし、心理学者でもないので、大元の性格を変えることはできません。
回りくどく述べてきましたが、総じて
注意ポイント
「一緒に二人三脚で頑張っていきたいと思える人」
「応援したいと思える人」
それにはマネージャーも夢を見れる演技のポテンシャルや性格があると、仕事をしていて幸せだなと感じます。
声優とは常にコミュニケーションも取っていくので、やはりこの要素は大事ですね。
まとめ
演技ののびしろがあって、語彙力・読解力があり、愛嬌があってみんなに愛されるキャラクターで、歌とダンスも上手くて、何よりこの声優のために全てをかけて売っていきたいと思える人
を探しています。そして、こんな人はいませんw
個人的には、
ポイント
演技ののびしろ
愛嬌(雰囲気)
売りたいと思える性格
これが必要最低限の要素かなと思っています。
他の多くの事務所も絶対このことは見ると思いますので、参考になるかはわかりませんが心にとめておいていただけると幸いです。
普段の生活から、変わろうと思えることが大事です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
声優として成功している人の共通点
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声優として伸び悩んでいる人の共通点
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