声優事務所・声優業界について

声優として伸び悩んでいる人の共通点

声優として伸び悩んでいる人の共通点

1万人いると言われている声優の中で、声優業だけでやっていけているのはたった300人。その違いはどこから生まれるのか。

 

私は、声優業界でオーディション担当や、マネジメントなどに長い間携わってきました。

最近ではこの経験を元に、声優志望の方に向けて「オーディション審査員・事務所」側の立場で記事を書かせていただいております。

専門学校の先生や元声優さんなどの対策記事は多いですが、実際の事務所側の決める立場からの声は少ないと思います。

是非、これをきっかけに声優としての第一歩を踏み出していただけたら幸いです。

 

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はじめに

 

そもそも、伸び悩んでいる声優の定義から話しておきましょう。

それは、まだアニメやゲーム・吹き替えなど仕事を定期的にしていない声優の事です。それは、今所属している声優のほぼほぼに当てはまりますね。

売れる手前の方もいるでしょうし、もう長年やっていて伸び悩んでいる人もいます。早くに売れてその後伸び悩んでいる人もいます。

あくまでも今回は、声優としての姿勢や考え方の事で、スキルのことではないのでご注意を!

 

以前、「声優として成功している人の共通点」という記事を書かせていただきました。

ただ、「当てはまらなかったら売れないのではないか」と思わせてしまっていましたよね。

トップ声優たちは間違いなく売れない過程を経て、自分にしかないものを基礎を固めた上で身につけて活躍されています。

誰でも伸び悩む時期があるのです。

そこを、最初から求めてしまっても自信がなくなるだけですし、大事なところを見落としてしまうと思います。

なので、敢えて今回はネガティブなキーワードですがこの記事を書こうと思いました。

「反面教師」とまではいかないですが、思い悩んだ時に自分自身がそうなっていないか見つめなおす機会になればと思っております。

 

成功している人の共通点から、自分がその逆になっていないかという見方もできるので、是非過去の記事も見てみてくださいね☆

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声優として売れていない人の特徴

 

先ほども言いましたが、今回は「仕事への取り組み方」的な要素が強いので、メンタルの部分、姿勢の部分がほぼほぼです。

なぜなら、どなたもみんな結果的に伸び悩んでいるだけで、今後売れる可能性があるからです。

ただ、効率が悪かったり下記のような考え方になってしまうことで、自分の殻が破れず自分の可能性に気づいていないだけなのです。

 

常にネガティブになってしまう

 

コンテンツのキャストが発表されて落ち込む、テープオーディションの結果が出て落ち込む。など声優をやっているとほぼほぼ落ち込むような言葉ばかりが起こります。

全部のコンテンツに出演することなんてできませんし、世の中には数えられないほどの作品があります。

その一つ一つに落ち込んでいたり、些細なことで病んでしまうことは危険です。

 

それは、その気持ちのモヤモヤは全て演技に反映されてしまうからです。

中には、収録や本番の前になると風邪をひいてしまったりノドの調子が悪くなってしまうような声優もいます。

そんなことでは役者がそろって行うアフレコで迷惑をかけてしまうし、またそれで落ち込んで…の繰り返しになってしまいます。

そんなことではテープオーディションにも通りませんし、コンテンツにも出演できません。

楽天的に、なんて軽いことはもちろん言いませんが、落ち込むときは落ち込んで、何か自分の中でこれをすれば気が和らぐようなものを見つけられるといいかもしれませんね。

ひと言言うと、みんな同じように悩んでいるし、どんなに売れている声優でたくさん仕事があっても同じように悩んでいます

 

挨拶ができない・言葉遣いが悪い

 

これは基本中の基本なので言うまでもないことですが。。

売れている声優がみんなできているとは言いませんが、人間として絶対に怠ってはいけないところです。

引っ込み思案だからとか、タイミングがなかったとかは関係ありません。

それに挨拶がしっかりできない人とは仕事したくありませんよね。

もちろん、アフレコ現場での音響監督やスタッフへの挨拶だけではありません。

もしあなたが大物声優になったとして、目下の声優やスタッフにもちゃんと自分から挨拶ができるような人間になってください。

そこそこ売れている声優に挨拶ができないイメージが多いのですが、大物声優や、長く活躍されている方は自分から挨拶に来てくれるくらいしっかり挨拶をしますよ☆

もし現場で一緒になることがあったら、ちゃんといいところを見習いましょう。

 

ポイント

挨拶
お礼
謝罪
相槌

 

などなど、人としてあたりまえ話ではありますね☆

もちろん、メールなどの文面や、普段の会話での言葉遣いなど、声優は声の仕事なので、正しい日本語を使えるといいと思います。

よく、トークでもぼそぼそしゃべるジト目のキャラクターなどを演じている声優を見て、「それでいいんだ」と思ってしまう人がいるのですが、音域の狭いキャラクターを演じなければいけない場合、その音域内で全ての表情を出さなければいけないので、一番難しい技術です。モノマネしている人でできているっぽい人は見かけますが、ただボソボソ言っているだけの方はすごく多いですね。

そもそも以前からお伝えしているように「声がしっかり出せること」が声優の第一条件でもあると思っています。本当に声が出せないと、小さい演技も絶対にできません。

全て挨拶から始まるので、ちゃんと意味があるんですよ☆

 

努力する方向性が間違っている

 

これは若手声優で私がよく思うことです。

確かに努力はしているし、演技というものに向き合っているんです。

以前の記事で努力する才能があるのは売れている声優の共通点だと言いました。

ただ、努力というのは「作業している時間」の事を言っているだけではないんです。

 

ポイント

演技以外の「自分の見せ方」ばかり考えてしまう
考えるだけで悩む時間の方が多くなってしまう
基礎練習や発声練習をおろそかしてしまう
何も考えないで数だけこなしてしまう

 

もちろん、努力をし続けることがマイナスになることはありません。

ただ、質を求める努力をしていかないと、効率が悪く結果が見えにくくなってしまいます。

そして、あまり変わっていない自分の演技をみて「これだけやったのに」と、諦めてしまう人もいます。

 

固定概念が固まりすぎている

 

これは、「客観的でない」「視野が狭い」ことにも直結します。

演技するにしてもなんにしても、自分の中で考えた正解しか見えていないということが良くあります。

テープオーディションでも、「このキャラクターはこの高さの声だからこれしかない」と作ってくる声優が多いです。

ちゃんとイメージしてくることは良いことなのですが、それが監督や原作のイメージと一致しなかったときに、パニックになってしまったり頭が整理できず、最終的に自分のイメージが正しいと考えてしまうのです。

それは一番危険ですね。

作品の声優は、あくまでもキャラクターなのであって、キャラクターを自分に寄せるのではなく、自分がキャラクターに圧倒的に寄り添うことでしか成立しません

声優に何より必要なものは、「物事を客観的にみる力」があるかどうかです。

もし100%客観的に自分を見られるとしたら(実際ありえないが)どんな演技を求められているか、これをしたらどう思われるか分かると思います。

100%は無理だとしても、重要な局面では絶対に相手の気持ちになって考えることを意識してみましょう!

私は声優ではないですが、誰かと喧嘩したときや何かのプレゼンをするときは聞いている人の気持ちになってしゃべるように心がけていますよ☆

 

すぐに個性を出したがる

 

これは上記固定概念にも通じるところはあると思いますが、歌に関しても演技に関しても「俺(私)の歌、声を聴いて!」のように演技や振る舞いをする人がいます。

そういう方に「もっとナチュラルに」「もっと声を高く(低く)作ってみて」など言おうものなら、「自分の声が一番生かせるのはこの音域なんですけど」みたいな顔をされます。

何度かTwitterなどでは言っていますが、「本当の個性は自分の個性を消したところに現れる」ものだと思います。

同じ体格、声帯、生き方をしてきた人なんていないので、ほっといても個性は出てくるのです。

声優は仕事を与えられないとキャラクターに声を吹き込むことができないということを肝に銘じておいてください。

 

事務所や人間関係に恵まれていない

 

こういう声優は、まず最初に選ぶ事務所から間違えている可能性があります。

事務所選びに関しては、未然に防ぐしかありません。

自分のやりたい方向性に強い事務所なのかどうか、ちゃんとオーディションが来ているのかは入る前に調べておくべきですよね。

自分の記事でアニメ・吹き替えなどに強い事務所はまとめているので、チェックしてみることをお勧めします。

アイマス声優になりたい、プリキュア声優になりたいのにオーディションが来ていなかった…などがないように、その事務所から出演しているかどうかは簡単に調べることができます。

声優はマネージャーは選ぶことはできませんが、受ける事務所は選ぶことができます。

 

人間関係に関してはこれはどうしようもないことです。

私も何度もこのような声優を見てきましたし、違う事務所に移籍していくのも経験しました。

声優事務所のマネージャーというのは、音響制作会社ごとに担当が決まっています。現実問題、そのマネージャーに気に入られるということはキャストオーディションを受ける上では大事な要素になってきてしまいます。

もちろん、自分の性格や言動によって良く思われなくなってしまうということも往々にしてあるのでちゃんと相手の気持ちになって考えつつつき合っていくしかないですね。

マネージャーも色々な人がいるので、そのタイプに合わないと、事務所にいながらオーディションが受けられないということにもなりかねません。

 

ただ、本人は環境のせいにしてはだめですよ!あくまでも、客観的を忘れずに!

 

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人と比べてしまう

 

これは多くの声優志望や声優にとって避けては通れない道ではあると思います。

比べるなと言われても、周りは気になるし比べてしまう気持ちもわかります。

そして、事務所側はコンテンツ側はもちろん比較しないといけない立場なので、嫌でも比較します。

ただ、声優本人はそれによって病んでしまったりするのは違うかなとは思います。

例えばSNSのフォロワー数だけをとって比べてみたりするのはナンセンスですね。ただの記号なので。

マネージャーからの評価を比べるのも意味ないです。そもそも比べたところで演技は向上しないし、そうであればひたすら自分の演技を磨いてほしいと思ってしまいます。キャストオーディションの事務所内の争いなんて小さなものです。敵は全声優なので、比較することによって視野が狭くならないようにしてくださいね。

そして、本当に比べなければいけないのは、自分の過去の演技と今の演技、そして良い演技をしている声優とを比較して研究してください。

 

比べるとはちょっと違いますが、むやみにエゴサしたり、自分の評価を見てしまうこともプラスにはならないのでご注意を!

 

予習・復習ができない

 

これはそもそもの話ですが、声優で演技を学ぶ上で、例えば学校や養成所に行って満足しているような方が多いです。

事務所の声優でも、テープオーディションの収録をして終わりではありません。

その場で習ったことをちゃんと頭の中で整理する時間は絶対必要ですし、その時出来なかったことを次までにできるようにする努力が一番大事です。

ちゃんと予習復習ができていない声優は、何度も同じことを言われます。

演技を学ぶことに終わりはないので、その場その場でできた課題に関してはちゃんとクリアにするようにしましょう。

 

そして、もう一つ間違ってはいけないのは、「すぐに正解をもとめたがる」ことです。

確かに早く正解を聴いて分かった上で演じた方が早いのでは!?と考えることもわかりますが、しっかり自分の中で考えた上で正解にたどり着かないと、技術としては身につきません。

分からなかったらすぐに聴きに行くではなく、自分の中で死ぬほど考えてから聞きに行くようにしましょう。

 

早くに売れてしまって伸び悩んでしまう

 

これは最後におまけになりますが、声優の中には華々しくデビューをしたのにその後あまり名前を聞かなくなった…という方がよくいますね。

特に、学生時代からデビューして、そのまま何となくそれに紐づいて仕事が増えてしまったために十分に演技の勉強をできずに声優をやっているという人が陥ります。

現場で学ぶ意思があればもちろんそれだけで伸びていけるのですが、初めてでこなすことに精一杯になってしまって気づいたらそのコンテンツも終わり、それ以降オーディションに受からなくなってしまうというのはありますね。

なので、声優志望の方は同じ年齢くらいで活躍している人がいても、焦らずに自分の技術を磨いていきましょう

絶対、その声優と並べるときが来ますし、長い目で見れば自分の方が長く声優という仕事を続けられると思います。

 

おわりに

 

ここまで色々なポイントを書いてきました。

他にも色々あったりしますが、今回はここまでにしておきますね。

他で言っておくとしたら、「生活リズムが悪くなってしまう」のは気を付けてください。喉にも悪いですし、大事な時に万全な体調で臨めなくなります。

 

このように、伸び悩んでしまっている声優はたくさんいると思うのですが、その理由を自分なりに分析してみました。

色々理解できないところもあると思いますが、あくまでも私が客観的に声優を見てきて感じたことなので、一つの例にすぎません。

上記に当てはまっても売れている人はいますし、当てはまらなくても売れない人もいます。

 

なにか、今後声優を目指していく上でメンタルの部分で参考になればと思っています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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