声優志望の方を対象とした模擬オーディション「第一回声優オーディション実戦練習」の総評をさせていただきます!
ぶるまんと申します。
今回は、多くの方に企画にご参加いただきまして、本当にありがとうございました!
声優志望の方を対象に、オーディション形式で実際の資料をお送りいただき、それをオーディション審査員の立場から評価させていただくということをやらせていただきました。
実際オーディションを受けても、審査員からフィードバックが返ってくることなどはほぼほぼないため、少しでも今後の声優オーディションの書類審査の参考になればと思っています。
一つ一つしっかり返信させていただいたため、お戻しが遅くなり失礼いたしました。
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「第一回声優オーディション 実戦練習企画」 開催のお知らせ
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もくじ
はじめに
「第一回声優オーディション実戦練習」企画!
この度、声優志望の方を対象に企画を開催いたします!
ご応募いただいた方には、全員に声優事務所としての立場でコメントさせていただきます⭐
詳細は記事をご覧ください。#声優志望#第一回声優オーディション実戦練習https://t.co/ASmC7hN3Fj
— ぶるまん@声優育成する人 (@blue_mondayblog) July 8, 2020
このように告知させていただきました。
結果、50件以上の方にご参加いただきました。
結構歌もあるしハードルが高いかなと思っていたのですが、意外にも多くてびっくりしました。
今後自分がリアルで声優オーディションを実施することがあると思いますが、その時の採点基準とも同じだと思うので、是非復習もしてみてくださいね!
SNS上では#第一回声優オーディション実戦練習のタグでも投稿してくださってありがとうございます。
コメントに協力してくださったRinDaさん、カリン。さん、お忙しいところありがとうございました!
今回、この声優オーディション実戦練習をやってみて思ったのは、この企画に参加してくださるみなさんの意識の高さを感じました。
模擬オーディションとはいえ、しっかりと書類も書いてくれている方ばかりで本当のオーディションの審査をしているようでした。
ただ、やはり書類を見ていても「ただ書いているだけ」「自分が言いたいことを書くだけ」という方も多く、見せ方を意識している方は少なかったですね。
演技や歌がメインであるとはいえ、書類だけが唯一文字で人間的なところをアピールできる場です。
あくまでも「他人が読んでどう思うか」ということを意識してやってみると良いと思います。
あとはやはり募集要項をしっかり読んでいない方も多くいたので、提出資料の不備はリアルなオーディションだと全てはじかれてしまうので注意しましょう!
(今回で言うとセリフは2つ以上、60秒以内など)
今回の評価基準について
今回の評価に関しては、「応募書類」「演技」「歌唱」の3項目に分けて審査させていただき、全て良い評価から(A+、A、A-、B+、B、B-、C+、C、C-)でつけさせていただきました。
注意ポイント
A~A+・・・プロとしてすぐ契約したいレベル
A-・・・完成度が高いか、素材的にのびしろをすごく感じる
B+・・・是非次の審査で見たい。注目。
B・・・次の審査の枠次第では呼びたい
B-・・・うーん、普通かな…
C+・・・がんばってはいるが、もう少し
C~C-・・・厳しい
ざっくりいうとこんな基準で評価をつけさせていただきました。
残念ながらAとA+は一人もいませんでしたが、普段は評価基準が違う(A~Cの評価ではない)とはいえA~A+のレベルは個人的にも数えるほどしかいません。
そして、必ずしもその時の評価が全てではないですし、売れずに辞めていった声優さんもいます。
ほとんどの方はB-~Bの評価をつけていると思いますが、Bをつけているということは頑張り次第で何とかなるというレベルです。
逆にCをつけている方に関しては独学では限界がある可能性もあるので、特に歌はボイトレの先生に習うというのも一つの手だと思います。
現時点でA-をいずれかの項目でつけている人はかなり事務所所属に近いところにいると思います。(なんなら事務所所属でもピンキリなので力は上の人も)
ただ、もちろん2次審査で会ってみての印象や、その人が放つ雰囲気や実際合わないとわからないことも多いので参考程度にお願いします。
ちなみに、演技でのA-評価は2名。歌でのA-評価は2名。応募書類でのA-評価は4名でした。
実際、会って評価が落ちるという人がほとんどで、その中評価をキープしたり思いがけず良かったりする人がさらに上の審査へと進んでいきます。
大沢事務所など2次がファイナルという所ではその書類審査の評価はかなり大事になりますね。
2次審査の一発勝負で書類審査と同様の力を出せるように、練習あるのみです!
応募書類に関して
冒頭でも書きましたが、応募書類を書く上でのポイントを改めて整理させていただきます。
ポイント
・引き出しをすべては使わないものの、ある程度具体性をもって書く
・審査員の立場になって考え、どうしたら視覚的・内容的に目を引くか考える
・文字数は適度に、改行や箇条書きも効果的に使う
・数字で表せる実績は絶対に書くべき
以上になります。
今回やって思ったことは、「声優を目指そうと思ったきっかけ」に関してはちょっと意地悪過ぎました。(反省)
正直、そこまでインパクトのある理由のある人はいないと思います。
ポイント
単純にアニメや作品が好きで声優の演技に憧れたから
声を褒められたから
自分以外の何者にでもなれるから。
これを自分なりの経験に基づいて書いている人がほとんどです。ここでは正直差はつきませんね。
もしこのような項目が実際の声優オーディションであったとしても、そこに労力は使わず自己PRや趣味特技に使うようにしましょう!
引き出しを使い切らずにインパクトを残す。というのは、かなり塩梅が難しいですよね。
その他の項目に関しては下記実際に応募していただいた方の応募用紙を参考に述べていきたいと思います。
この方の場合は趣味にかなり多くのものを書いていただいていて、多趣味だということは分かります。
ただし、この書き方だと「ギター」「トランペット」だけだとなんとなくできるのかな、くらいにしか思ってもらえません。
例えば、ギターなら弾き語りをしているのか、バンドでやっているのか。トランペットは部活で何年間やっていて大会で賞を獲ったのかというのを簡潔に書いてもいいのかなと思います。
書いてある内容に関しては興味を引くものではあるので、あとは「数字的な根拠」で書けるものがあるとさらに良いと思います!
(ない場合は敢えてこのような書き方でも可)
性格に関しても自己PRでもかけているので、簡潔で分かりやすい応募資料ですね。
続いてこちらの方に関してはかなり具体的に数字で書けるものが多いのが特徴です。
この応募用紙だけでも
ポイント
アナウンスコンテスト入賞
水泳8年間
英語の検定持ち
絵でも入賞実績あり
ということで、書く話題には困らなそうですね。このくらい具体的に書いてあれば、なにをできる人なのかわかりますね。
さらに、友人から言われた客観的な「自分の特徴」も書いてくれているので、人間性に関しても伝わってきます。
もちろん演技や歌唱次第ではあるのですが、審査員の興味を引くことは間違いないと思います。
※実際この方は演技もある程度のレベルでB+をつけさせていただきました。
こちらの方に関しては一見シンプルで文字数が少ないように感じますが、情報量的には十分なものがあります。
ポイント
放送部に所属
副部長(リーダーシップ)
放送コンテスト県大会決勝
さらに、もう少し放送関係以外で具体的に書くとしたらイラストを描いてなにか活動しているのかや、卓球の実績などですかね。
放送部の活動ですでに個性は出ているのですが、もう一歩突っ込むとしたらその部分か、友達グループでの立ち位置などの性格の部分になると思います。
やはり審査員も形式的ではなく人間味がある資料だと入っていきやすいので、あまり堅苦しくならないように心がけてください。
今回紹介した3名の方は文字がぎっしりというわけでもなく、少なすぎもせず改行もしっかりしているので見やすい資料ですね。
他の人が書いているものを見れる機会はないので、是非これを参考に自分自身の資料も見つめなおしてみてください!
セリフ音源について
セリフ音源に関しては、今回60秒で2つのセリフ以上を入れてくださいと言いました。
これはちょっと伝え方を間違えてしまったのですが、60秒で自己紹介+セリフを読んでくださいと言う意味だったのですが、分かりづらくなってしまったので今回は60秒以外で自己紹介でもOKとさせていただきました。
今回のこのセリフ音源の目的としては
ポイント
自己紹介で地声が聴きたい
セリフ自由にすることで自分で原稿を作ってもらう
キャラクター指定もないので、個人の特色が出る
ということでこのような形にさせていただきました。
実際オーディションをやるとすると60秒はちょっと短いかもしれませんが、その短い中で皆さん工夫して録っていたのが印象的でした。
自己紹介に関しては完全に「地声が聴きたいだけ」です!
なので、応募書類の自己PRと被ってしまっていても大丈夫ですが、もしそこに書ききれずに補足したいことがあるのであればそこで話してみるのはありだと思います。
実際に自己PRで広げて話してくれた方の中で「おっ!そんなこともやってるのか」と思う方もいました。
中にはかしこまり過ぎてナレーションぽくなってしまっている方もいましたが、なるべくこういう時の自己紹介はナチュラルに話すことをお勧めします。
セリフに関して全体を通して感じたことは、複数セリフを読んでくれているのに、そのセリフの順番がもったいないと思う方が多かったです。
自分の中で自信のあるセリフから読んでいく方が、審査員として見ていると印象に残りやすいです。
最初に良いと感じてもらえれば、その後も若干補正がかかります。
限られた時間でできる限りのキャラをセリフを短くして詰め込むのも、一つのパターンとしてはありなのですが、聴き返すときに印象に残りにくいのとどれが良かったのかわからなくなってしまうのでリスクもあります。
出来れば、自信のある上位3つくらいを時間の範囲内で演じる方が良いと思います。
この段階で全てのキャラパーフェクトにできるという方はいないためです。
あとはやはりみなさんに言えることですが「相手の見える芝居をしていない」と感じました。
ただ強弱をつけるだけとか抑揚をつけるだけでは相手に言葉が届きません。
正しい距離感と正しい感情表現、あとは間を大事にすることでリアルにもつながるので、そこは意識して演じてみてください。
参考までに、A-の評価をさせていただいたルリノトリさんがタグつけてつぶやいてくれていたので載せさせていただきます。
#第一回声優オーディション実戦練習
初投稿!右も左もわからない初心者です…。
アドバイスよろしくお願い致します…! pic.twitter.com/8P8QvwsX9c— ルリノトリ (@torirurino) July 19, 2020
ルリノトリさん(https://twitter.com/torirurino)は声の響きが非常に良いのと、演技経験はまだないとのことですが、距離感などのカンが良いなと思い素材的な意味が強くA-をつけさせていただきました。
折角なので声を張る圧のある芝居も見てみたいなと感じます。
あとは、事務所によってカラーが違うので何とも言えませんが、ナレーションの強い事務所にはナレーションを入れ込んだり、アニメに特化していればセリフだけにしたりと臨機応変に対応してください。
それに関しては実際に声優事務所の特色をまとめた記事も書いておりますので、是非下記ご参考に!
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声優事務所の選び方-特徴を知って自分に合った事務所選びを!
続きを見る
歌唱音源について
締め切りの前に「歌唱曲の選曲で気を付けるポイント」という記事を出させていただいたので、ギリギリに応募した方は選曲的には有利になったかもしれませんね。
実際その候補曲で上げた中から選んでくれている方も多かったです。
その記事を見ていただければ全て伝えているのですが、
注意ポイント
自分の音域に合った選曲を心がける
好きな曲でなく歌いなれていて歌える曲を選ぶ
あまり癖のある歌は選ばない
アカペラの際はジャズなどオケありきの楽曲は難しい
というところを注意していただけたらと思っています。
今回A-をつけさせていただいた方の1人は、圧倒的に音域が高くどんな曲でもミックスボイスで歌えそうな上に声も出ていてキャラソンや表情をつけて歌うのも上手そうだなと思う方でした。
ちなみに、歌った曲はJUDY AND MARY「そばかす」でした。
上手さというよりも、素材という面で選んだ感じですね。
もう1人のA-の方は声にも力があるし、ファルセットでも声が細くならずに歌えていて、単純にまっすぐな歌に惹かれたという感じでした。
選曲との親和性も高く、非常に完成度の高い歌でしたね。
ちなみに、歌った曲は中川翔子「空色デイズ」でした。
その他、皆さんが選曲していた楽曲で気になったものを紹介しますね!
あまり楽曲被りは少なかったものの、複数歌われていたものは下記になります。
ポイント
夢をかなえてドラえもん
気まぐれロマンティック/いきものがかり
奏/雨宮天
どれもオーディションでは定番の楽曲になりますが、同じ曲がある場合、どうしても同じ歌を歌った他の方と比較されてしまうということだけ理解しておいてください。
特に、歌い上げるような楽曲「JUNNA」「CHiCO with HoneyWorks」「水樹奈々」「may'n」「TRUE」など…は歌に自信がある方が選ぶので要注意です!
あと、アカペラで応募する場合バンドの楽曲などのアップテンポな楽曲はどうしても寂しくなってしまうので、アカペラの場合はバラードをお勧めします。
バラードであればテンポ感も含め自分の間で歌うことができます。
今回歌っていただいた選曲の中で良いなと思ったのが
ポイント
ETERNAL WIND~ほほえみは光風の中~/森口博子
青い珊瑚礁/松田聖子
変わらないもの/奥華子
うたかた花火/supercell
ですかね。バラードの曲が多いですが、まっすぐ歌えるものが多いので歌いやすいと思います。
ただ、高い曲(青い珊瑚礁など)も多いので自分のピッチに合ったものは選んでくださいね!
下記、選曲おすすめリストを掲載しておりますのでそれも参考にしてみてください!
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声優オーディション歌唱審査のための楽曲候補リスト公開!!
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まとめ
ご参加いただいたみなさん、改めてありがとうございました。
個人としても色々なTwitterでつながった声優志望の方の演技や歌を聴かせていただくことで、勉強になりました。
特にSNSで活動している方はなにかしら情報が欲しかったりアドバイスや人の演技を聴きたいと積極的になっている方も多いからか、どんどん演技も上達している印象があります。
人のことを客観的に見て自分に生かすというやり方は一番効率的だと思います。
今回、残念ながら書類審査を通過できなかった方も、普段見ているオーディションに比べたらレベルは高いので、可能性は全然あると思います。
また、第二回も企画しておりますので何かいいタイミングで実施出来たらと思っています。
これから発表されるであろう声優オーディションに向けて是非頑張りましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!
今後の声優オーディションに関してはコチラ
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