声優志望の方を対象とした「模擬声優オーディション2020秋」の総評をさせていただきます!
声優志望の方を対象に、オーディション形式で実際の資料をお送りいただき、それをオーディション審査員の立場から評価させていただくということをやらせていただきました。
実際オーディションを受けても、審査員からフィードバックが返ってくることなどはないため、少しでも今後の声優オーディションの書類審査の参考になればと思っています。
一つ一つしっかり返信させていただいたため、お戻しが遅くなり失礼いたしました。
エントリーされた方は、この総評をしっかりみて全体で自分がどの位置にいるのか、他の方はどのようなことが課題なのか客観的に見て今後の演技に活かしていきましょう。
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「模擬声優オーディション2020秋」 開催のお知らせ(〆切:2020年11月30日)
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もくじ
はじめに
【NEW】最新記事更新
声優オーディション対策として、第二回目の模擬オーディションを開催させていただきます!
詳しくは記事内をご覧ください!
全ての応募者にコメントさせていただきます❗️#声優志望「模擬声優オーディション2020秋」 開催(〆切:2020年11月30日) https://t.co/LuuFLra5lv
— ぶるまん@声優育成する人 (@blue_mondayblog) November 19, 2020
前回に引き続き多くの方にご参加いただきました!50名以上!
今回は声優事務所のオーディションに振り切ったものとさせていただきました。
セリフに関しても色々な解釈があり、個人的にも考えさせられるものもありましたね。
今回の課題が
ポイント
エントリーシート
演技資料(セリフ)
演技資料(外郎売り)
ということで、現時点での総合力というよりは演技中心で評価させていただく形にしました。
ここからは提出資料を見ていて、聴いていて気になったことや、評価基準、全体を通しての課題などについて話させていただきます。
今回の評価基準について
今回の評価に関しては、「応募書類」「演技①(セリフ)」「演技②(外郎売り)」の3項目に分けて審査させていただき、全て良い評価から(A、A-、B+、B、B-、C+、C)でつけさせていただきました。
注意ポイント
A・・・プロとしてすぐ契約したいレベル
A-・・・完成度が高いか、素材的にのびしろをすごく感じる
B+・・・A-より劣るが、次点
B・・・気になるが、まだ判断材料必要
B-・・・うーん、普通かな…
C+・・・がんばってはいるが、もう少し
C・・・厳しい
ざっくりいうとこんな基準で評価をつけさせていただきました。
ご自身の評価はいかがでしたでしょうか。基本的にはB~B-の評価が多くなってしまいましたね。
ポイント
※あくまでもぶるまん個人の評価ですので、お正月のおみくじ程度でお考え下さい(悪くても気にし過ぎない)
※相対評価ではなく、絶対評価でつけさせていただきました。
残念ながらAは一人もいませんでした。
でも、この時点でAをつける人がいたらもうすでに契約している方のレベルだと思います。
そもそも契約している方でもそんなにつけないと思います。
そして、必ずしもその時の評価が全てではないですし、Aくらいのポテンシャルがあっても売れずに辞めていった声優さんもたくさんいます。
逆にCをつけている方に関しては独学では限界がある可能性もあります。
発声練習の方法にも問題があると思いますので、是非相談してきてくださいね。
逆に現時点でA-をいずれかの項目でつけている人はかなり事務所所属に近いところにいると思います。
ちなみに、演技①(セリフ)でのA-評価は1名。演技②(外郎売り)でのA-評価は0名。応募書類でのA-評価は3名でした。
今回、合格者もかなり絞らせていただいておりまして、合格者自体が全体で10名弱でした。
合格率的には15%くらいですかね。
応募書類に関して
応募書類を書く上でのポイントを改めて整理させていただきます。
ポイント
・習い事、部活に関してはしっかりと歴を記載する
・趣味、特技の欄では枠も大きいので実績があれば記載する
・自己PRでは上記で書いたものの補足の他に、性格に関するエピソードを記載する。
・意気込みのような文章にはしない。
以上になります。
今回に関しては、前回実施した「第一回声優オーディション実戦練習」という企画でもしっかり応募書類の書き方について触れてきましたので、比較的しっかりかけている方が多かったです。
気を付けてほしい点としては、「自分だけが分かる文章にしない」ことです。
中には詳細をあいまいにしていたり、主語が抜けていたりという方もいました。
「読み手側がどう感じるか」
ということを想定すると、自ずと具体的に書くことができる思います。
説明を抽象的にすればするほど他の方と似通った、誰にでもあるようなPR文章になってしまうと思います。
こういう時はある程度「自分を大きく見せる」ことは大事なので、しっかりと自己分析をまとめておきましょう!
今回A-をつけさせていただいたエントリーシートの方の例をご紹介します。
参考
習い事・趣味
・ピアノ(〇~〇歳まで)
・軽音楽部(ボーカル高校〇年間)
・バスケットボール(大学〇年間・部長)
趣味・特技
・歌(カラオケ最高99点)
・英語(TOEIC900点)
・映画(作品名〇〇〇などのSF作品)
自己PR
ピアノは〇年間続けて、学校の合唱コンクールでも学年伴奏をした。
軽音楽部では学祭のトリを毎年務めた。
地声の良さを評価され、学校行事での司会を務めた。
頼られることが多く、友達からも色々な相談を受け、その信頼からか学級委員に推薦されました。
このようなバランスでそれぞれ補足をすることによって、人間性や本人ができる事が分かりやすくアピールすることが出来ます。
なにか書くことがある際にはこういう書き方をしてみてくださいね。
セリフ音源(セリフ、外郎売り)について
演技①(セリフ)の評価基準に関しましては下記のポイントを重視して評価させていただきました。
注意ポイント
①自分の中で情景描写が固まっていること
②それを演技として表現できていること
③声が出ていること
④セリフの中でキャラがぶれていないこと
⑤感情を音で表現していないこと
全てつながるものではありますね。
まず①ですが、やはりみなさんのセリフを聴いていて「何となく演じている」という方が多かったです。
その人がどこに立っていて、座っていて、相手がどこにいて、どういう状況で、どんな話の流れで出てきたセリフなのかをイメージすることは大事です。
以前のツイートで「人間は脳で考えてから行動するもの」ということを言いました。
とりあえず口に出す。ということはないのです。
話し手がどの立場でこのセリフを発したのか考えましたか??
その状況をリアルに考えられずには、感情は乗りません。
②でも同じですが、イメージがちゃんとできていれば演技としても現れます。
ベテラン声優さんに教わったことですが、「何か似た状況を自分に置き換えること」も大事です。
同じ場面に遭遇することはできなくても、これと似た感情が自分にないか探してみましょう。
そして③。
毎回言っておりますが、声優は声が出ていないとなんの演技もできません。
大きな声がしっかり身体全体で出せないと、小さい演技もできないのです。
今回は、あえて魂が入った演技ができるセリフを男女で用意しました。
事務所側が課題にするセリフにも、必ず「これを見たいためにこのセリフにした」という理由があります。
そこを読み取って情景をイメージできるとより事務所側の意図に近い形で演技を持っていけると思いますよ。
④に関しては、だいたいみなさん最初に声が出せてもまだそれを安定させるだけの技術がないので、どうしても尻つぼみになってしまったりキャラブレしてしまいます。
同じ流れの中にも気持ちの流れはありますので、ずっと同じテンションで話さずメリハリを作っていくことも大事です。
⑤に関しては、今回の応募者の中で一番多かったのが「音で演技をしている」方でした。
どうしても演技に気持ちを乗せられていないと音で感情を表現してしまいがちです。
もちろん感情に言葉の音は不可欠ですが、それも同じで感情が乗った上で音が付いてくるイメージです。
怒っているようには見える音を出していても感情がないとただの音声として耳に入ってきて、人の心を動かせるセリフにはなりません。
今回ポイントにした5点はかなり演技をする上では大事ですし、これさえ気を付けていればある程度はできるようになるので、何かの際には思い出して自分でチェックしてみるといいと思いますよ!
外郎売りに関しては、
注意ポイント
・ただの発声練習にならないこと
・早口にならないこと
・文章の意味を理解して発声すること
をポイントとさせていただきました。
やはり、歌舞伎の口上ではあるので普段ではあまりなじみのない文章が並んでいます。
それに意味を理解して話すということは難しいことではあります。
ただ、「外郎を売る」という目的でこの口上があるので、しっかり理解している人は勝手に感情も載ってきます。
あえて歌舞伎のように抑揚をつけて演じることは現時点ではありません。
まとめ
ご参加いただいたみなさん、改めてありがとうございました。
個人的には、私がコメントすることよりも何よりも「セリフに真剣にチャレンジした」ことが一番の力になると思います。
そういう意味では、エントリーしてくださった時点でプラスになっていると思います。
1つ覚えておいていただきたいのは、事務所側も機械的に行っているわけではないので、そこに何かしらかの意図が隠れているということです。
それこそ「客観的に」見れることにより、何が求められているかも考えられるようになると思います。
演技をすることに必死にならずに「何を伝えたいか」を重視して資料を作ってみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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