声優オーディションに合格!そして晴れて事務所に所属することに!
その後の声優はどうなる??
私は、声優事務所で、実際に声優オーディションの審査員を何年もやっておりました。
メイン担当でもあったので、ある程度の決定権もあり、実際に何人もの声優を発掘してきました。
実際に何千人、何万人をオーディションで見てきて、実際のオーディションの書類審査や2次審査で通す通さないの判断をしてきた経験を元に、みなさんが実力をちゃんとした形で魅せることができるようにオーディション対策をみなさんに発信しています。
Twitterでも情報を発信しているので、是非この機会にフォローしてみてください!DMでの個別カウンセリングも無料で行っています。
今回は、そのオーディションに合格した後の声優の仕事に関してお話しします。
もくじ
はじめに
みなさん、声優になったら事務所から自動的にゲームやモブの仕事や作品のオーディションが来ると思っていませんか??
養成所から入った場合と、直接所属になる芸能事務所系のプロダクションの場合とでほぼほぼ変わりはありませんが、特に芸能事務所系で直接所属になった声優に関しては事務所によっては飼い殺しになるようなところも多いです。
誰もが特別な才能を持ってすぐに売れるわけではないので、事務所選びは本当に大事です。
自分がどのタイプなのか、どの立ち位置なのか、どこを目指していくのか決めずに所属だけすると失敗します。
事務所所属という餌に惑わされて声優人生を無駄にしないようにしてくださいね☆
事務所に入所してから①
まずは集団でレッスン
殆どの場合が、仕事経験のない新人の同期として事務所に所属します。
事務所によって同期の人数は異なりますが、数人~10数人というところが一番多いのではないでしょうか。
芸能事務所系に関しては、10代中盤から20歳までと若い層が中心になることが多いです。
逆に声優事務所は専門学校や養成所上がりの20~22歳くらいが中心になると思います。
契約が終わったら、まずは定期的に新人だけでのレッスンが待っています。
このレッスンでは、養成所から見ている場合はそこまでしっかりやらなくても、個々の力量や方向性を見定めるために行います。
芸能事務所系では演技初心者という方もいるので、外部から先生を招いてやるところもあります。
中には、少人数の場合は口の利く養成所にお願いして送り込むこともあります。
ある程度の実力が図れたらオーディション台本を読む
入所して数か月がたつと、次は事務所に来ているアニメ・ゲーム系のオーディションの話が来ます。
そのオーディションでは、大体テープオーディションとして
ポイント
オーディション用台詞収録
プロフィール
アンケート
歌唱資料
自己紹介
などのデータを収録して提出するのですが、メインになるのがオーディション用台詞の収録です。
スタジオにもスタッフにも限りがありますし、作品によっては「1キャラクターにつき、事務所で〇名まで」という制限があるため、全員が読めるわけではないですし、もちろん全員提出してもらえるということはほぼないです。
その時点で、事務所内での争いが始まっているのです。
「3キャラクター、事務所で1名ずつまで」
だった場合、30人いる事務所で1割。たった3名しかエントリーすらできないのです。
それに、キャラクターのタイプによっては3キャラのうち1キャラの方向性しか会わない場合、その1キャラを巡って事務所内でオーディションが行われるようなもの。
アニメのオーディションは、「指名」といって最初の案内の時点でこの声優に受けていただきたいというものがくる場合がありますが、それ以外は有名声優も新人声優も同等の並びで受けることになります。
ということは、事務所内の同じタイプの大物声優との争いにも勝たないと、まずはまな板の上にすら乗れないのです。
理不尽なことに、そこには「事務所の思惑」や「政治」というものも絡んでくるので、実力だけではどうしようもないものもあります。
ただ、あなたが闘っていくのは事務所の声優ではありません、前事務所の全声優に勝たないと作品には出演できないことを覚えておいてください。
事務所に入所してから②
事務所に入所してしばらくレッスンやオーディションを読んでいると、次の段階が訪れます。
会社内で制作しているアニメ・ゲームのキャスティング
声優事務所では、音響制作やアニメ制作を同じ会社内で行っている事務所も多く、その携わっている作品のメインもしくはサブ役として出演されているのを見ることがあると思います。
(わからない場合は、事務所の声優の出演歴を見ると、同じような作品に多く出演している事務所が見つかるはずです)
ただ、単純に制作している作品が多いから自分にもまわってくる、ではないのです。
もちろん事務所内にも「推したい」「売り出したい」新人がいるわけで、優先的にその声優がキャスティングされます。
たまに、何ワードかのゲーム作品に出演出来たりはしますが、その事務所の推し枠に入れないことには、いい作品に出演することはできません。
オーディションに受からない
そもそも事務所での争いに勝っても、テープオーディションで色々な事務所から1キャラ100名の声優が受けたとして、スタジオオーディションに行けるのは多くても20名。
それにその中には超大物声優もいたりするので、その中でキャラクターを勝ち取るのは至難の業。
テープは受かるけどスタジオから先がいけないという声優は多くなってきます。
それが続くと、同じようにどんどん後から入った新人に優先権が移っていきます。
新人声優は、ずっとこのような何とも言えない「見えない不安」と戦っているのです。
一つの新人声優の苦悩を語った泉水みちる「底辺声優の所感」はこちら
-
-
泉水みちる「底辺声優の所感」からみる新人声優の現状
続きを見る
事務所に入所してから③
オーディションに呼ばれなくなる
新人のうちはある程度の作品のオーディションの案内が来るのですが、1年経って後輩の新人声優が入ってくる頃には、だんだんと個々に差がついてきてオーディションの案内すら来ない声優が出てきます。
もちろん事務所なので、たまに案内を出したりはするのですが、ほぼほぼ飼い殺し状態。
ただ、所属しているという期待や希望があるので、それに何となくしか気づけず何年もたっており、事務所から契約更新がなかった時には時すでに遅しということもよくあります。
そういう意味では、早いところ見切りをつけてくれる事務所の方が良心的なのかもしれません。
事務所案件のコンテンツに出演させることで何となく満足させる
中には、何となく誰でも当てられるようなコンテンツの端の方のキャラクターをたくさんキャスティングして、「やっている感」を出してそのまま陽の目を見ずに辞めていくという声優さんも多くいます。
事務所はもちろん仕事でやっているので、どうしても売り出したい声優が決まってきてしまいます。
そんな時に思い切って決断することも、一つの手ではあります。
少ないチャンスを生かすためにやり続けること
養成所から所属した方は、所属が決まったら定期的なレッスンがなくなってしまうことがあります。
事務所に行って演技をするのは、テープオーディションの収録のみ。
ちょっと野球でいうメジャーリーグに近いのかもしれませんが、完全自主性みたいな形になっています。
もちろんそこから結果が出れば倍々ゲームのように出演作は増えていきますし、ギャラは増えていきます。
逆に、チャンスをつかめないとどんどんチャンスが少なくなってきてしまいます。
そうならないために、養成所や専門学校、そして事務所所属して最初の頃にやっていたトレーニングを欠かさずに、チャンスがまわってきたときに全力が出せるようにしておくことです。
(また野球ですが、代打の1打席のチャンスを生かして、レギュラーを勝ち取る感じです)
トレーニングはどこでもできます。布団にかぶりながらでも、下記のトレーニングをやり続けてください。
-
-
声優になるために今できること-声優オーディション対策
続きを見る
-
-
声優志望の活舌トレーニング-絶対毎日続けるべき5つのこと
続きを見る
声優事務所の契約書で気を付けること
芸能系の事務所だととくに多いのが、契約書の問題です。
良く問題になっていますが、事務所はなぜか自分のところから声優が出て行って他の事務所で活躍することを嫌います。(当然なのか??)
そんな理不尽のために、契約書の内容を何となくざっくりにしているところがあります。
注意ポイント
契約期間は書いてあるか
ギャラの配分が書いてあるか
交通費や宿泊費が発生した場合どうするか
契約期間内に辞める場合どうするか(条件含む)
事務所経由以外での活動に関してどう書いてあるか
契約期間終了後の活動について余計なことが書かれていないか
などなど確認事項は多くあるので、その場で契約せずに一度持ち帰ってくることをお勧めします。
個人の実力と関係なく事務所と合う合わないは絶対にあるので、契約時には想像できませんが辞めるときのことは考えておきましょう。
2020年の声優オーディション対策をまとめている記事はこちら
-
-
2020年おすすめ声優オーディションを時系列でまとめました
続きを見る
さいごに
実際、声優事務所に所属するよりも所属した後の方がはるかに厳しいです。
声優志望の方はピンキリですが、オーディションが進むにつれて上の方のクオリティは半端なく高いです。
その中でたった一つの役を、少ないチャンスで活かすということは本当に難しいですね。
世の中にメインキャラクターとして出演している声優の方はほぼすべてオーディションで勝っています。
必ず、受かった理由があるので、ただアニメを見ずにどこがよかったのか、絶対に考えてみましょう!
さいごまで読んでいただきありがとうございました!