声優事務所・声優業界について

「声優をプロデュース。」からみるマウスプロモーションの声優とマネージャー論

「声優をプロデュース。」からみるマウスプロモーションの声優とマネージャー論

声優の可能性とマネージャーのあり方を綴った納屋僚介さん「声優をプロデュース。」から声優とマネージャー論を考える。

 

私は、声優発掘担当、声優マネージャーとして多くの声優志望者や新人声優を発掘・育成してきました。

その経験を生かして、声優志望者や声優に向けてオーディション対策や声優になってからについての記事を書いています。

Twitter(https://twitter.com/blue_mondayblog)でも情報を発信しておりますので、是非チェックしていただけましたら幸いです。

 

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はじめに

 

注意ポイント

この記事は、著書を読んでいなくても分かるように書いていますが、著書の内容も抜粋しています。
声優志望・マネージャー志望の方は是非読んでいただけたら幸いです。

 

声優は、事務所は選べてもマネージャーを選ぶことができません。そんな声優志望さんが、今後事務所に入ってから事務所の良し悪しを図る上で参考になればと思って書かせていただきました。

決して声優志望の方は、どこでもいいから事務所に所属したい!とは思わないでください!
マネージャーも、簡単な気持ちでマネージャーにならないでください!

その思いは、下記からの納屋僚介「声優をプロデュース。」から紐解いていきたいと思います。

 

声優をプロデュース

 

マウスプロモーションで社長も務めた納屋僚介さんの「声優をプロデュース」という本があります。

マウスプロモーションは、声優志望の方はご存知だと思いますが、声優事務所でも実力派の声優が多く、アニメ・吹き替えなどさまざまなジャンルで活躍している声優が多く在籍しています。

そんなマウスプロモーションで「大塚明夫・加隈亜衣・五十嵐裕美・高田憂希・大野柚布子」を手掛けた納屋さんが作り上げたプロデュース論を述べた本です。

 

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(参考:納屋僚介「声優をプロデュース。」)

 

声優にとって、声優マネージャーはただのスケジュール管理をする人間ですか?それは違います。

売れている声優には、優秀なマネージャーがいます。

優秀というのはただ単に仕事ができるという意味ではなく、声優といい意味で近い立場で、そして気持ちを理解し、一緒に進んでいける人だと思っています。

時にはマネージャーの判断で声優の道しるべを示してあげる必要があります。

そんな納屋僚介さんの著書で共感した部分が多かったので、声優とマネージャーの関係値について本の言葉をお借りしながら思ったことを書かせていただきます。

該当するページもその都度書かせていただきますので、ご参考に。

 

声優とマネージャーが「後悔しないために」多くの方に読んでいただきけたら幸いです。

 

①声優って何ですか?(P24~P52)

 

声優という職業の内容はご存知だと思いますが、人として声優ってどんな人が多いと思いますか?

それはひと言でいうと「変わった人」ということです。

そもそも多くの人は、録音した自分の声を聴いて嫌な思いをする人は多いでしょう。それを仕事として世の中に発信していくんですから確かに変わった人ですね。

 

そして、「いびつな才能の持ち主」でもあります。(P28)

そんな声優の特徴をこのように書いておりました。

 

ポイント

文章を読み解く力・物語を捉える能力が高い⇒勘が鋭い
全ての音を自分のものにする感覚が鋭い⇒モノマネが上手な人が多い
社会生活からズレている⇒放っておくと生きていけない
数字が弱い
一般人からするとどうでもいいことにテンションが大きく左右される

 

一つに特化しているが、人として生きていくのに何かが足りないという部分も多いのが声優の特徴ですね。

職業として声優をやっているのに、時に「やりたくない」と言ってしまう声優もいます。

メンタルの部分が声に極端に影響が出てきてしまう職業なので、そのメンタルと仕事のバランスを保つためにマネージャーは存在しています。(30~36P)

 

私の関わってきた声優にも、イベントが近づくに連れてメンタルが不安定になり、最終的に体調にまで影響が出てしまうという方がいました。

それは、大きなステージ、小さなステージ関係ありません。

そんな時、普通の人に声をかけるように「体調管理も仕事」などという言葉で片づけると体調も関係も余計に悪化してしまいます。

それだけ、声優は繊細で変わった人種だと思っています。

 

ここで、声優という職業の難しいところをあげます(P48~P54)

 

ポイント

年齢と共に偉くなったりはしない
声優の「上手い」に基準はない
辞め時が分からない

 

一つに、サラリーマンのようにある程度年齢を重ねるに伴って地位が上がるということがない事です。

声優の仕事は、なにか声を吹き込む作品がないと成立しません。

なので、どんな大物になっても「仕事をもらう」ことでしか生活できないのです。

 

そして、もう一つは大事なポイント。

声優の演技力は「当てにならない謎の指標で永遠にうまい、下手と評価され続け」るのです。

演技力に、基準値などありません。自分も、僭越ながらTwitterでコメントさせていただいていますが、あくまでも「個人の意見」として思ったことを述べさせていただいているだけです。

数値化されない評価は、人によってばらつきのある評価基準で仕事が決まる理不尽な世界です。

たまたまOK・NGの判断をする人の感覚と近かったというだけで仕事が決まります。

ただ、その縁の可能性をあげていくことを目指すのが、声優の仕事なのです。

 

そして、上記の演技の曖昧な価値基準から、「声優を辞めるタイミング」が分かりません。

声優のマネージャーは、そこを的確に判断して、実力はあるが事務所と合わないなら他の事務所へ、そのまま辞めた方がよければ辞めるという決断をしなければなりません。

価値基準のない演技力の判断を、できるだけの関係値を気づいて決断するまで理解してあげるのがマネージャーの辛い仕事です。

 

②声優としてのスタイルを確立するには(P54~P64)

 

この著書での一番といってもいい大事なポイントの一つに、「声優としてのスタイル」が挙げられます。

声優に求められるものが多様化されるなか、定食屋をやっていてうな丼を頼まれるようなことが頻繁にあります。

それに「できる」「できない」をはっきりさせなければいけません。

自分を客観的に見て、「演技力」だけで勝負するのか、「なんでもやる」をプライドとするのかを判断してほしいです。

絶対に「なんとなくやる・断る」とその場の空気に流されてしまってはいけません。

 

そして、養成所や専門学校の講師から一番言われる「個性的な声優」という言葉。その言葉を勘違いしている方が多いです。

オーダーされた注文と違う商品が出てきて、それを個性とは呼べません。

土台があってこそ、それが個性と呼ばれていくのです。「個性的な声優」はわざわざ思ってやっているわけではありません。

個性がない人などいないので、鉄則を守ってまずはオーソドックスにやっていきましょう。

 

③マネージャーって楽しいの?(P68~P96)

 

マネージャーには「付き人」と「営業マン」という二面性があります。

付き人の役割としては

 

ポイント

スケジュール管理
声優が芝居に専念できる状況を作る

 

ですね。

水を用意する、移動をスムーズにする、気づかないところに気づいてあげる、気になるであろうことを言ってあげる、メンタルのケアをするなど、声優が気にする前に動いてあげることで声優はストレスなく芝居やイベントに専念することができます。

そのためには、普段からの付き合い方が大事です。

現場で会って終わってすぐ帰すだけでは、その声優の本当の性格や気持ちはわかりません。

納屋さんと同じく、自分もなるべく声優とは食事に言ったり普段から趣味の話をするなど、コミュニケーションは取るようにしていました。

その声優がどういうところで落ち込むのか、SNSが原因なのか、歌なのか、ダンスなのか色々演技以外でもポイントがあるので、気づいてあげられると信頼関係が気づけます。

あとは困ったときにすぐに連絡してあげたり、日ごろから本人のSNSを定期的にチェックしエゴサしてあげることも重要です。

 

次に営業マンとしてのマネージャーの仕事をお伝えします。(P79)

 

営業活動は、マネージャーの活動の「肝」に当たる部分です。

いくら人間関係ができていても、仕事がなければ意味がありません。そのためにマネージャーは仕事を取れる「確立を増やす」のが大事だと思っています。

 

よく、「ゴリ押し」という言葉が使われます。(P81)

自分もそれは伝えたいですが、「ゴリ押し」で声優の仕事が決まるのであれば、苦労はしません。

上の付き人としてのマネージャーの仕事を放棄してまでゴリ押しすれば良くなってしまいます。

何億もかけて制作しているアニメの大事な声の部分を、ゴリ押しされた声優を起用してしまうなんてことはできません。

アニメ制作者は、人生をかけてアニメを作っています。

作品にプラスになる、自信を持って起用できると考えられる声優を起用するのは当然だと思います。

それだけ声優は「クリーン」に実力だけで決まる業界ではあるのです。

ただ、それを評価するのは決定権を持っている人の主観によるものが大きいというのが厄介ですが…。

キャストのオーディションでのこり3名まで残っている声優は、ほぼほぼ100点を超えている演技力を持っています。

そこで判断の材料にある「付加価値」をマネージャーとしてつけることで、その3人の中から選ばれることができます。

 

個人的には、その制作会社との人間関係だったり、単純に「熱い思い」も大事だと思っています。

今、現場マネージャーの多くが仕事に追われていて一つ一つの仕事に対する愛情が薄くなってきている人も多いですし、そもそも声優業界に入りたくて入っているわけではない人も増えています。

ただ、アニメの制作者は間違いなく作品に愛を持っています

であれば、同じ点数の声優だったら愛を持ってくれそうな声優を選ぶし、それにこたえてくれるマネージャーを選ぶのではないでしょうか。

 

 

④声優に人生のドラマを作る(P97~P119)

 

マネージャーとしてのもう一つ大きな仕事として「声優にドラマをつくる」ことがあります。

これはビジネスプランではありますが、マネージャーは人を扱う仕事なので、この著書ではドラマという言葉を使っています。

 

「この声優はビジュアルもいいし、歌も歌えるから主役を狙える、コツコツ売っていくよりも、いきなり主役でデビューさせよう」

 

などなど、妄想を膨らませ本人と一緒にドラマを想像していくのです。(これやりますが結構楽しい)

これが当たり前ですが、崩れることの方が多いです。その場合は、さらに話し合って軌道修正を重ねていきます。

 

納屋さんはすごくわかりやすい例えで表現しています。(P100)

「野球の打線と同じですね。野球の打線は、一番バッターが塁にでて、二番バッターが送りバントかヒットで着実に前の走者を送り、チャンスに強い三、四、五番がきっちり打って点を取る……という想定のもとに組まれています。」

野球においても、これが成功する確率は1割にも満たないのに理想という形を思い描いているからこそ、現実になるのです。

マネージャーも今置かれている立場や行動するべきことのイメージを声優に与えることが非常に大事です。

 

今のマネージャーは日々の仕事に忙殺され過ぎてしまっていて、声優と人生のドラマを紡ぐことができづらくなってきてしまっています。

ただ、声優はこの人生のドラマを共有できるマネージャーと出会えないと、なんにでも手を出してしまい、しまいには飽きられてしまいます。

 

そして、マネージャーとして頭に刻んでいてほしいこととして

「仕事があるのは役者のおかげ、仕事がないのはマネージャーのせい」(P108)

を覚えておいてください。

これは声優業界では良く聴く言葉ですね。

ただし、これを声優が思ってしまっても駄目ですし、これを知らずに仕事を取ったのはマネージャーのおかげだと思ってしまっても駄目です。

自分がいた声優事務所のチーフの人間が、あるアニメに初めて決まった新人声優に対して

「俺のディレクションを聴いていれば役だってとれるんだ。」

と言ったのを今でも鮮明に覚えています。

自分はその頃はマネージャーになったばかりでしたから、何も言えなかったですが、その時の声優の喜びきれない表情に絶望しました。

そんなマネージャーは、声優を育成するべきではないと思います。

 

マネージャーは声優がいるから仕事ができる、声優はマネージャーがいるから演技に専念できる。という関係値を作る事こそ、本当の信頼関係だと思います。

納屋さんのような上司がいてくれたら自分もずっとその事務所にいたのかな…と思ってしまいます。

 

声優の欠点を平均点まで押し上げてあげて、声優は長所を遠慮なく伸ばすことができる、というのが理想の形だと思います。

 

③運に頼らない生き方を(P143~P160)

 

声優は「売れる作品」を選ぶことはできません。

それに関しては多少運によるところもあるのかもしれませんが、キャスティングされることに関しては、運ではありません。

もちろん当たりくじは増やすことができないのですが、くじを引く回数を増やす努力をしようということです。

 

努力したものだけが手に入れることのできるなにか…これが本当の運だと思います(P152)

 

④夢と目標と現実(P162~P184)

 

いつまでたっても「夢」を持ち続けること、夢は好きにつながり、それを叶えられるなら全力で頑張れるということが大事です。

夢は、先ほどの項目で書いたような理想的な「妄想」にも近いものになります。

それはいつしかより具体的な「目標」へと変わります。

それは夢をさらに掘り下げていき手の届きそうなものになります。

その目標に向かって、今やらなければいけない「現実」に目を向けて、コツコツと積み重ねていく。

それが目標達成につながり、いずれは夢につながります。

 

著書で、納谷さんは「マウスプロモーションのビルを建てること」を目標に掲げています。

そのビルに劇場を造り、そこに行けば声優がなにかしらかの公演や上映をしているようなエンターテインメントの場所を作りたいと綴っています。

 

この著書に倣って、私自身も現在の目標を掲げておくことにします。

私は、声優事務所を設立し、自分独自のやり方で声優を売っていきたいと考えています。

それは1からという発想ではなく、コンテンツと紐づくものを結び付けたものにする予定です。

声優の現実に目を向けて、1から演技の最強集団を作る。でもいいのですが、声優志望者の方は少なくとも作品に出られなければ声優にはなれません。

 

ポイント

会社として所属して安心できる
声優を育成しながらも、コンテンツに出すことができる環境を作る
養成所を設けず、少人数で自分が信頼できる講師に指導してもらう

 

ということを目標に、今は動いています。

夢のところまで行くと、その手掛けた声優一人一人が業界のトップを走るというところになりますが、今は現実をみて新しい会社の設立に向けて動いています。

動き出した際にはこの記事を見てくださっている方にはお伝えできればと密かに思っておりますので、是非名乗り出てくださいね☆

 

終わりに

 

声優にしても、マネージャーにしても好きを仕事にすることは素晴らしいことだと思っています。

よく、「好きなことは仕事にしない方がいい」と言っている人は、そのことが本当に好きではないのでしょう。

嫌なことに侵食されるほどの好きであれば、その程度だったんだと思います。

本当に好きであれば、寝られなくても、どれだけ疲れていても全く苦にならないはずです。

 

そんな納谷さんの著書「声優をプロデュース」を読んであらためて自分もしっかり声優と向き合えるマネージャーになっていきたいと思っています。

声優志望の皆さんは、できたらこの本を読んで、改めて私が公開している「声優志望者PRカード」を書き直してみてください。

 

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読む前と読んだあとで、若干声優としての価値観に変化があるかもしれませんよ☆

PRカードは、あなたが声優になろうと思った、最初の気持ちです。変に個性を無理に出そうとしていませんか?

Twitter上では言いませんが、狙っている人は分かりますよ。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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